マットってなんで丸いの?
レスリングの試合を見ていると、マットの真ん中に大きな「丸」が描かれています。
ボクシングは四角いリング。
柔道の試合場も四角。
なのにレスリングは、真ん中に大きな円。
……そういえば、なぜ丸い?
実は、昔は四角だった!
意外かもしれませんが、レスリングのマットは昔から丸かったわけではありません。
かつては8メートル四方の、四角いマットで試合をしていました。
それが1971年から、いまの直径9メートルの円形に変わったんです。
円の外に出るとどうなる?
なぜ丸くなったのか。
そのカギは、ポイントのルールにあります。
レスリングでは、場外に足全体を踏み出すと、相手の選手に1ポイントが入ります。
だから選手は、相手を円の外へ追い込もうとしたり、逆に追い込まれないよう中央へ戻ろうとしたりします。
レスリングは、マットの「位置」まで使って戦う競技なんです。
「角がない」から公平
押し出しがポイントになるなら、四角いマットには困ったことがあります。
それが「角」です。
四角だと、角に追い込まれた選手は一気に不利になります。
でも円なら、右へ動いても、左へ動いても、中心から境界線までの距離はどこも同じ。
追い詰められる「隅」がない、どこに立っても条件が均等な形。
それが円だったんです。
そう考えると、相撲の土俵が丸いのも同じ理由。
「押し出したら勝ち」という競技は、自然と丸にたどり着くのかもしれませんね。
押し合いに隠れた駆け引き
試合中、円のふちギリギリで踏んばる選手や、じわじわと相手を外へ押し出そうとする選手がいます。
ただ押し合っているように見えても、そこでは
「外へ追い込みたい側」と
「中央へ戻りたい側」
の駆け引きが、ちゃんと起きているんです。
観戦がもっと楽しくなる見方
次に試合を見るときは、技だけでなく、選手の「立っている場所」にも注目してみてください。
「あ、外に追い込んでる!」
「あ、中央に戻ろうとしてる!」
それが少し分かるだけで、レスリング観戦はぐっと面白くなります。
あの大きな丸にも、ちゃんと意味があったんですね。


